リノベーションで快適な古民家にするために
古民家再生リノベーションでは、そのままでは生活しにくい箇所は使いやすく改修し、趣のある箇所はあえて残すといった、バランスの取り方がポイントです。
古民家の床の高さ
古民家は、床下の通気性を確保するために、床の高さが現代の家よりも高くなっていることがあります。
その場合、玄関土間と室内の高低差は約60cmになり、大人でも出入りがしにくい高さですので、ステップや踏み石の設置など、間取りの工夫が必要となります。
梁あらわし天井
平屋の古民家で人気の高い内装デザインといえば、古く立派な梁を利用した、梁あらわしの天井です。
梁は表面を塗装するだけでも風格のあるインテリアパーツとなりますが、スポットライトを設置するスペースとしても役立ちます。
特に、梁あらわしの平屋は、天井が高くなってしまうため、通常の照明だけでは照度不足になることもありますので、梁のスポットライトは重要な意味を持ちます。
ただし、床が高い古民家では梁の位置が低くなり、身長の高い人は目の前に梁がくることもあるので注意しましょう。
今から百年以上前に建てられた古民家は、当然、現代のような断熱性・気密性は備わっていません。小屋裏付近や天井と壁の境目などに、外から覗けるほどの隙間ができていることもあります。
このような古民家は、リノベーション工事の際に断熱・気密改修を行うことで、最低限の過ごしやすさを確保することができます。
古民家リノベーションの注意点
古民家リノベーションで特に注意しておきたい箇所が、「耐震補強」と「瓦屋根の処理」です。
耐震改修の方法に注意
古民家の中には、現代の耐震補強が通用しない物件もあります。
古民家が建てられた当時の耐震補強は、現代とは考え方や手法が異なるため、現代風の耐震補強を古民家に取り入れると、かえって建物の強度を落としてしまい、独自の趣のある雰囲気も失われかねません。
古民家に詳しい建築士や、古民家鑑定士などの有資格者による耐震診断を利用するなどして、必ず古民家独自の方法で物件の耐震補強を行いましょう。
瓦屋根の葺き替えは高額になる
古民家の良さといえば、重厚感のある日本瓦屋根の外観です。しかし、日本瓦は屋根材の中でも特に重く、屋根が重い家は地震の揺れを受けやすいため、壁や柱に強い負荷を掛けてしまいます。
そのため、瓦屋根の古民家をリノベーションするときは、物件の耐久性を優先してガルバリウム鋼板や化粧スレートなどの軽い屋根材へ葺き替えることがありますが、葺き替えは屋根リフォームの中では最も高額な手法です。